JEPIは分配金利回り8%超え!でも米国高配当株は配当税率30%超なので注意

投資

JEPI(JPモルガン エクイティ プレミアム ETF)の分配利回りがすごくて8%超えてる、国内の高配当株でもせいぜい4-5%ぐらいなのでETFで(パッケージでリスク分散されていて)8%って信じられない利率だなと驚いたことがある。しかも毎月分配されるし。当時は1億あったら全部これでいいんじゃないかとすらよぎった(浅はかすぎる)。

JEPIよくよく調べるともちろん良いことばかりではなくて、

(1)だいたい55〜60円圏内でレンジの動きをしているので値上がり益を狙えない
(2)当然の為替リスクがあって、例えば購入時から10%円安に振れたら当然分配金も10%減る
(3)米国株(ETF)からの分配金(配当)は二重課税により国内20.315%に加え米国でさらに10%が課税される

この辺は注意したいところ。

(1)について、国内で高配当株を買う際にも基本的には配当狙いで買うのではなく「減配されない限りはある程度の値下がりがあると買いの手が入って値が支えられやすい」という期待で買うので、本当に値上がりを期待できないのであれば8%もそこまで高くないと言えるのかもしれない。

(2)について、長期の積立投資をする場合にはあまり為替リスクは考えなくても良いとされている。例えば現在140円台のドル円(USD/JPY)が20%円安になるなら168円、30%なら182円。一方で米国株の期待利回りは毎年7%前後で複利も効くため、10年で2倍になる計算。182円の円安がこの先ないとは言わないけど、高い確率で10年で2倍になるものと比較すると、182円の円安により資産が30%目減りするリスクはあまり高くないように思える(し、130円・120円と円高に行けばむしろ得することにもなる)。つまりJEPIのような海外の高配当ETFを買う場合には、短期ではなく長期で考えるのが大前提。為替リスクはあまり気にしない。

(3)について、これが問題の米国配当株二重課税問題。例えば円ベースで考えて100万円の配当をもらったとしても、日本国内で20.315%の税金に加え、さらに10万円を米国に納めないといけないため、税引後で69.685万円しか手元に残らない計算になる。この10万円は確定申告で返ってくる(外国税額控除)のでちゃんと申告しておきたい。

その他注意点
・譲渡益税:こちらは普通に20.315%だけ。
・損益通算:米国株の譲渡損益は国内株の譲渡損益などと損益通算が可能。
・為替差益:通常は売買の際の損益に加えられるので基本的には気にせずOK(ただし外貨での保有期間が多少あって差益が発生しているとこの限りではない)。
・源泉徴収:特定口座(源泉徴収あり)の場合、米国の税金も証券口座が源泉徴収してくれる・1つの証券口座の中での損と益なら損益通算も勝手にされるので気にせず大丈夫。
・NISA:NISA口座の場合は国内の20.315%のみ非課税、米国10%は課税となる(ちなみに米国10%の分は二重課税になっていないので確定申告しても取り戻せない)。
・配当控除:米国株の配当には適用されない。

ということで、「米国株の配当は税金が30%取られる」のではなく「確定申告すれば10%は戻ってくるのでイッテコイで国内株と大差ない(配当控除などで多少の違いはあり)」が結論。これら差し引いてもJEPIの高分配利回りは嬉しいので、ある程度値下がりしたタイミング+為替が良いタイミングでちょこちょこ買うことにしている。

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